阿蘇高岳登山

  恐怖の尾根下り

阿蘇登山

阿蘇中岳火口には行ったことはあったが、阿蘇が登山するとは考えていなかった。森はなく、荒涼とした景色がひろがるばかりだ。
それが、BSのテレビの「サンデードキュメンタリー」という番組で、番組で、冬の阿蘇登山を紹介していた。

仙酔峡登山口

早速調べると、番組で紹介されていた草千里浜からのルートは、噴火警戒レベル2のため通行止めになっていた。しかし、別に噴火警戒レベル2でも登れる仙酔峡ルートが新たに設定されているということでそのルートで登ることにした。
車で阿蘇に向かう。大観峰を過ぎると、外輪山を阿蘇谷に下って行く。その時の阿蘇谷は。雲海に覆われ素晴らしい景色だ。

阿蘇谷まで下り、仙酔峡登山口に向かう。回りは霧に覆われてほとんど見えない。
霧の切れ目から、阿蘇五岳のひとつである、根子岳のギザギザの山容が見えて来た、

仙酔峡登山口が近づいて来て、坂を登って行く。大きな建物があり、あたりはほとんど岩だらけの景色になって来る。7時に駐車場に到着する。広い駐車場には2台しか車が止まっていない。まわりは黄土色の岩山だ、

仙酔峡ルートは2つある、ひとつは急斜面の尾根ルート。もうひとつは、旧ロープウェイの跡を通るルートだ。ネットで調べると、急斜面の尾根ルートは下りの方が良いとあったので、旧ロープウェイから登る反時計回りルートを行くことにした。

登りは、階段やベンチなどが整備されていて登り易い。右の斜面には廃止されたロープウェイの支柱が点々と残っている。

このロープウェイは20数年前、家族で阿蘇に旅行した時に乗った。その時、われわれ家族4人でロープウェイに乗ったところ、韓国人観光客の団体に囲まれたことを思い出す。そのロープウェイは、火山活動による安全性や運航の難しさによるコストの増と熊本地震による被害で、2019年に運航を断念したそうだ。

しばらく登って高度を上げたところで見た後方の景色は素晴らしい。雄大でまた雲海に覆われた阿蘇谷は幻想的だ。その雲海の遥か後方に姿を現しているのは久住連山の山並みだ。

階段を登って行くと分岐で直進は通行止めだ。そこを行くと草千里浜に下れる。
噴火警戒レベル2のためか硫黄の匂いがする、
分岐を左に曲がり奇岩の間を抜けると広い尾根が広がっている。もう道はない。

地面に刺された杭と、岩に塗られた黄色いペンキと所々にある標識を頼りにたどって行く。

日が昇って暑くなる。尾根を横切ると、浅い谷に下りる。谷は日陰なので気温が低いので水たまりに氷が張っている。波紋の模様だ、

尾根と谷を繰り返すと、急斜面の尾根を登る。登って行くと谷は深くなる。下を見るとかなり高く怖い。

谷に沿って登って行くと、上に中岳が聳えて、その中岳の広大な急斜面が広がっている。その急斜面をジグザグの標識を辿って登って行く。途中で撮った写真には変なビームのような光が…. これはいったい何だろう。
中岳山頂からは阿蘇全体が見渡せる。下には草千里浜と中岳火口が見える。
中岳から、鞍部を渡ってまたさらに急斜面を登って高岳へ。

高岳山頂には沢山の人がいる。仙酔峡駐車場から中岳に登る間は人の姿は見なかったが、中岳から高岳に行く間に少しづつ人が増えて来て、高岳山頂では多くの人が休憩したり食事をたりしている。

下には大きな火口跡があり、その先の高岳東峰の下にはまだ花が咲いていないミヤマキリシマの木が群生している。5月中旬くらいにはこの群生が満開になっているのだろう。

高岳山頂から東峰に行く途中に尾根への下り分岐がある。下を見ると、ほぼ垂直に近い斜面で、しかもすごい高さだ。仙酔峡駐車場が小さく見える。こんな所を下りれるのか。引き返して来た道を下ろうか迷った。

すると下でこえがする。老年の男女がふたり下っている。男性はこわごわだが女性はすたすた歩いている。これなら行けそうだと思い下りて行く。ところがこれがとんでもなおことだった。垂直の斜面には、ひな壇のような出っ張りは複雑につながっている。これが僅か1メートルもないくらいの幅だ。しかも岩が邪魔をしたり足元に雪が積もって滑りそうだったりもう恐怖だ。後悔したが今更戻れない。斜面の下っても一難去ってまた一難。

結局、標準時間、1時間20分で下れるところを4時間半もかかってしまった。駐車場から下って来た斜面を見ると。よくこんな所を下ったものだと思った。

二度とこんな所は行きたくない。


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